劇読み!vol.4「ナマクラ」 in 雑遊(新宿)
ああっ、なんか昨日書いたのと画面が変わってる!?・・・けど、めげずにとりあえず。
本当は11/29(火)に行った朗読劇。
出演している大地泰仁さんが好きで。一年ぶりの舞台に出る彼の姿を観るためだけに行った。
朗読劇というか、どうも「台本の大雑把な雰囲気をお知らせします。興味を持った劇団の方、上演してみませんか?」的な企画らしく。
出演者はみんな手に台本を持ってそれを朗読するので、舞台装置や派手な照明や効果は一切なし。
とても小さいハコだったので、それがまた雰囲気に合っていた。
ストーリーは、「大して不幸でもないけど人がうらやむほど幸福でもなく」「チャレンジしようと思えば出来たかもしれないけど、自信がなくてそう出来ないまま冴えない日常を送り」「自分だけ、なんだか人生に大遅刻しているような気分」の29歳・香のお話。
香は小説家志望、というか素人同人サークルには入ってるけど、自分に自信がなくて「小説家になりたい!」とまでは言えない。
会社で密かに憧れている同僚の谷口が、会社員やりながら弁護士を目指しているのをすごく「カッコイイ」ことだと思っている。
「いや、でもだからなんていうの、彼女になりたいというよりは、谷口くんになりたい、みたいな」
このセリフを聴いた時、思わず「うわ、あんたはアタシかw」と。
自分に自信がないから、いつも「イイモノは自分の世界の外にある」と(無意識に)思っていて。人がカッコイイことやってるとすぐ身の程知らずに憧れてしまう。
自分がこれまで歩んできた、いわば自分自身の選択の結果である人生より、青々と輝く芝生のおとなりさんがいつも気になってしまう。これ、まんま自分のことかと思った。
香は29歳で「もう今さら・・・」と思ってるけど。そうやってね、成就しない思いを抱いたまんまでいると、それって後で祟るんだよね。ま、自分のことですけど。
お話自体は、特に何か解決策を提示するわけでも、無責任な希望的観測を示すわけでもなく、終わる。
多分、香はこのまま曖昧な選択をし続け、年齡と共に「まあ、そう卑下したもんでもないよ、この人生も」てところに落ち着いていくのだろう。私のように(いま現在はまだ迷いの中にいるけれど)。
なんで、人と比べてしまうんだろう。
なんで、自分に自信が持てないのだろう。
仕事してようが、結婚しようが、子どもが生まれようが、そういうのはあんまり関係ない。
結局は周囲と自分の関係性をどうやったら前向きに結びなおしていけるか。それだけだ。
と、言うのは簡単だけど、実践がなかなか難しいんだ、これが。自分には。
大地さんが谷口役だったんだけど、この人は昔から声がいいよね、と思ってたファンとしてはそれを十分に堪能出来る内容で満足。
コミカルなとこもよかったし。
マジメでさみしい雰囲気が似合う人なんだけど、でもこういう笑える演技も好きだ。
終演後、ちょこっとお話する機会があった。去年の舞台から一年ぶりだったけど、名前を覚えていてくれて嬉しかった。
(自分に自信がないので、多分世の中の人は自分のことなんて覚えてやしないんじゃないか、と常に考えている)
購入した台本にサインをお願いしたら、快く受けてくれただけじゃなくて、どこに書いたらいいか、どう書こうか、こういうの(サイン)書くの久しぶりで・・・と、やたらイイヒトオーラ出しまくってる姿に萌えた。
初めて見た時からもう14年くらい。何が好きなのか未だにうまく言語化出来ないけど、そういう姿や、台本に書きこまれた文字や、まっすぐこっちを見て答えてくれるところや、何より演じてる姿を見るといつも「ああ、やっぱりこの人のファンでよかった」、と思わせてくれる。
この人を見て「大地さんみたいになりたい」、とは思わないw
自分にとって純粋に「ファン」でいられる貴重な役者さんだ。
来年3月に映画の公開も決まってるようだし、これからも地味に、細く長く応援していくつもり。